2024年の8月から日本にリリースされて約1年となった、AI Overview。
最初は気にすることもない程度の範囲での適用であったものの、2025年9月9日に日本で正式リリースが発表されたAIモードに併せたようにその適用範囲はほぼすべての検索に対して適用されるようになってきたと思ってもいいでしょう。
それにより様々なサイトに影響が
2025年3月に発表されたPew Research Centerの米国の成人インターネットユーザーに対して行った調査によると68,867件にのぼる検索セッションの行動ログが記録され、そのうち18.3%(12,592件)にAI Overviewが表示されたようです。
興味深いのはAI Overviewが表示された時とされなかった時のユーザーの検索結果(SEOにおける1位~10位)のサイトに対するクリックの差です。
AI Overviewが表示された検索に対しての検索結果のサイトクリック率は8%だったのに対し、AI Overviewが表示されたかった時のクリック率は15.3%だったそうです。
要するにAI Overviewにより検索語の導線として今までの半分がクリックするということをしていないということになります。
また、検索から一切のクリックをしない割合もAI Overviewの表示がある場合では25%となっており、表示がない場合よりも10ポイント高くなっています。
実際に当社のクライアントでも業種・業態は様々違えども、影響が大きいところでは30%ほどの検索流入の減少になっています。
考えなくてもAIが考えてくれる仕組み
このように2025年3月に発表されたデータですらかなりの影響度なのにAI Overviewはさらに適用範囲も拡大し、AIモードもリリースされているので発表から半年程度しかたっていませんがその影響はさらに拡大していると容易に想像できます。
AI OverviewやAIモードは機能として新しいものとしてではなくユーザーとなる我々の検索という行動や検索体験という行動そのものの構造を大きく変化させたといっていいでしょう。
「よく言えば利便性が異常に向上した!(考えなくていい)」と変化したのです!!
考えなくてもいい≒思考停止では!?
ここで単純に「楽だな」と思うのではなく俯瞰的に感じてほしい。
「考えない」≒「思考停止」は「自分の意志なのか」と
Googleは
「AIによる要約は検索の民主化を促進し、ユーザーの体験を向上させている」
「AIサマリー内の引用リンク表示や、詳細の展開機能、ソースの明記などを通じて「出所へのアクセスの道」は閉ざしていない」
と言っています。確かに年配の方のようにスマホ検索などに不慣れだった方には優しくなったと思います。
ただ、それはひいては思考停止の助長になっているのではないかとも思います。
思考停止にならないためには行動しかない
利便性という名目の中で要約された与えられた情報を単にうのみにするのではなく、そこからワンアクション、ツーアクション起こせるかどうか。
これが思考停止を回避する唯一無二の方法になると思います。
検索(調べる)、知りたいという欲求に対する行動をもう一度見直してみてはいかがでしょうか?